
現場の先生方の声としては
「発達の”凸凹”という言葉で理解した気になっているが実際の支援をどのようにしたらよいかわからず困っている」
「結果通知が下位検査の数値と数行の所見のみで生徒理解が十分にできない」という2点が主なものでした。
お話を頂いたときには正直微妙に内容を変えて”学校生活の中から見える困り感からアセスメントし、支援方法を検討する”という内容の研修にしようかとも思ったのですが、上記の具体的な困り感があったので管理職の先生からの要望にできるだけお応えする形での研修にしました。
また、現場の先生からは「実際に検査に使用する道具を見せてほしい」「どんな質問項目があるかいくつか教えてほしい」との要望もありましたが、それは検査者の責任として禁じられているためお断りしました。
私の働いている自治体では、特別支援級への通級・入級を判定するために教育委員会の委員がWISC-Wをはじめとする知能検査や発達検査を施行します。その後保護者と面談をして検査結果の伝達(口頭で)と次年度の特別支援級利用の意思確認を再度行うという形で手続きが進められています。そのため、現場の先生方には一人一人の詳細な検査結果の報告等がなく、実際に支援する先生方が具体的な生徒像や手立てがわからず困っていらっしゃるということでした。
委員会としては、保護者から先生方へ伝達してほしいという思いがあるようですが、心理や教育の専門家ではない保護者が一度の口頭でのフィードバックで我が子の特性を人へ伝えられるほど理解できるとは到底思えません。
私は今年度からテスターとなったのですが、このシステムに正直納得できておらず数回教育委員会にも掛け合ったところ、学校から要望があった場合には教育委員会の職員が再度面談を行い、詳細な特性や支援方法の相談に応じているとのことでした。しかし、要望が出ないところは検査を受けっぱなしになってしまい非常にもったいない。委員会としては予算的にも厳しいところがあるようですが、1時間余りかけて検査を受けた生徒の頑張りにも報いるように役立つものにしていきたいという気持ちが残ります。
他の市町村はどんなシステムになっているのか興味があり、今後こっそりと調査していきたいと思います。
研修の内容についてはまたアップします。