2016年08月28日

community(コミュニティ)における心理臨床家の基本姿勢について、その特徴を述べなさい

放送大学大学院平成27年度過去問です。


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コミュニティにおける心理臨床家の職務は、臨床心理士の専門業務の中の一つに位置づけられる重要なものである。具体的な業務はコンサルテーション、リエゾン、コラボレーション、エンパワメント、アドボカシーなどが挙げられる。


コンサルテーションとは、他領域の専門家がその専門性を十分に発揮できるよう、臨床心理士が心理学の専門家として助言を行うことである。次にリエゾンとは、他の職種や専門機関との連携や専門家同士の連携がスムーズにいくように調整することである。コラボレーションとは他領域の専門家・非専門家との協働、アドボカシーとは社会的弱者の声を代弁することである。また、コンサルテーションの際には、コンサルティが問題を自発的に解決しようとする動機づけが失われないようエンパワメントする必要がある。


上述のようにコミュニティにおける心理臨床家の職務は、1対1の関係ではなく、対コミュニティもしくは協働チームに心理学の専門家として参加する、問題解決のためのネットワーク作りを行うという形で行われるのが特徴である。したがって、個人に対して直接介入を行う心理面接とは異なり、問題を抱える個人に間接的に介入するという姿勢が基本であると言える。そのために、臨床心理士は他職種に対する理解や尊敬の念をもって予防の考えを中心に活動しなければならない。




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放送大学大学院平成27年度の過去問です。
その他の過去問は公式ホームページで過去3年分確認することができます。

放送大学大学院公式HP↓↓↓
http://www.ouj.ac.jp/hp/gakuin/kakomon.html


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2016年08月19日

スクールカウンセラー夏休みのお仕事

こんにちは。もうすぐ夏休みも終わりですね。スクールカウンセラーは夏休みは比較的時間があるので、正直残念な気持ちがしています。
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さて、そうは言っても全く出勤がないわけではなく、職員研修の依頼があったり、自分自身の研修もありますし、大学院のスクーリングも一週間みっちりありました。


その合間合間に二学期に向けて不登校の親御さんやお子さんとお会いしたり(夏休み中は心理的負担が少ないため比較的会いやすい)、虐待の疑いがある子どもの定期的な面談をいれたりケース会議を行ったりしています。丸々一ヶ月様子がわからないのは心配ですからね。


夏休みも終盤になってくると、大人も子どもも同じように憂鬱な気持ちになってくるものです。不登校の子を持つ親御さんなどは『二学期になれば登校できるようになるかもしれない』という期待と『また毎朝の駆け引きが始まるんだ』という憂鬱さの入り交じった複雑なお気持ちになりやすく、それが言動としてお子さんに確実に伝わります。


そうすることでお子さんはまた、一学期と同じく高い緊張状態で二学期を迎えることになってしまうわけです。


そうならないためにも、二学期のスタート前に親御さんと新学期に予想される本人の姿を確認し合う意味があるのです。

ラベル:心理職

2016年08月18日

以下の文を読んで臨床心理士の専門性について考察しなさい(大正大学2013年度過去問)

「臨床心理士の仕事は現在は急激に広がって、10年前には考えられなかった広がりと多様性を持つようになった。例えば、スクールカウンセラーの場合でも、『部屋にこもって待っていたらよい』というものではない、とはよく言われることである。もっと、積極的に働き掛けていく姿勢をもたないとあまり役に立たない。(中略)そして、職域が広がるにつれて、他の専門職の人たちとの連携や協力、あるいはときにはその人達の援助ということまで必要になってくる。」(河合、2006)

そのような状況の中で、教員、看護師、ソーシャルワーカーなどの人たちに対して、臨床心理士は他の領域とは異なる独自な価値のある仕事をしていると言えるだろうか。多様な領域で多様な職種の人たちと連携しながらも、臨床心理士が専門職としてきのうするとはどういうことだろうか。


以下、解答例↓↓↓↓↓


臨床心理士とは、日本臨床心理士資格協会が認定する心理学的援助を行う高度専門職である。臨床心理士には、臨床心理査定、臨床心理面接、臨床心理学的地域援助、調査・研究の4つの専門領域がある。その中でも多様な領域、多様な専門家とのコラボレーションが必要となるのは臨床心理学的地域援助である。


臨床心理士は対人援助職であるため、看護師やソーシャルワーカーなどとも職域が近い。その中でも特に活動内容の近い専門職として、精神科医と精神保健福祉士が挙げられる。精神科医とは、医学的知識や技術によって患者の病的側面に診断名を与え、治療を行うのが主な職域である。診断名を付与する際、精神科医は患者の病的側面に注目する「疾病性」の立場に立ち、治療によってその部分を改善または除去することを目指す。一方、臨床心理士は心理査定によってクライエントの健康的側面を含めた全体の理解に努め、病気のあるなしに関わらず個人の自己実現を目指して心理的支援を行う。


精神保健福祉士は、精神障害者を対象として、生活上のアドバイスやサポートを行うことが主な活動内容である。一方、臨床心理士は、社会適応のための心理的支援を心理査定や心理面接などの専門技術を用いて行う。他領域の専門家へのコンサルテーションやリエゾンなども重要な活動である。


多様な領域で活用される汎用性のある資格であるからこそ、自らの専門性と領域を自覚する必要がある。



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posted by あおい at 12:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去問 解答例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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