2015年12月31日

臨床心理的支援におけるコミュニティ・アプローチについて、他のアプローチと比較して説明し、その意義と留意点について述べなさい。

臨床心理的支援におけるコミュニティ・アプローチとは、臨床心理学的地域援助の実践である。臨床心理士の専門業務には、臨床心理査定、臨床心理面接、臨床心理学的地域援助、調査・研究の四つの領域がある。


コミュニティ・アプローチとその他のアプローチの相違点は、対コミュニティの援助を行うことや予防・啓発活動が中心となること、他領域の専門家・非専門家とのコラボレーションやリエゾンを求められることなどが挙げられる。例えば、学校におけるいじめの問題に対するアプローチでは、実際に被害生徒や加害生徒と関わるのは学級担任であり、スクールカウンセラーは、教師をコンサルティとしてコンサルテーションを行うなど、間接的な対応を行う。もちろん被害生徒を心理的に支えるため、個別的面接が実施されることはあるが、中心的な活動は間接的支援である。、また、教師は問題の対応により疲弊したり自己効力感が低下する可能性もある。教師が教育の専門家としての専門性を充分に発揮するためにエンパワメントを行うことも大切なコミュニティ・アプローチである。


コミュニティ・アプローチでは問題解決のための資源の活用、コミュニティ内の生活者としての協働・連携が重視される。臨床心理士はコミュニティ内のネットワーク作りを意識しつつアプローチを行うことが大切である。そうすることで、そのコミュニティの問題解決能力が上がり、問題発生の予防ともなり得るのである。




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2015年12月29日

面接相談と比較して電話相談はどのような特長を持っているか。

電話相談とは、1970年代「いのちの電話」が日本における先駆けで、主な目的は自殺の予防である。日本には間接いのちの電話的以外にも「虐待ホットライン」「小児科ホットライン」「精神科110番」などの電話相談が存在するが、これらも自傷・他害など緊急性の高い相談内容を扱うことが多いのが現状である。


面接相談は、数日あるいは数週間前の予約が必要であり、継続した面接が数回から数十回に渡って行われる。また、相談者は相談室を訪れ、治療者と顔を合わせるため治療者は相談者の身なりや表情、全体的な雰囲気などを五感を使って感じとることができる。相談の開始時にはインフォームド・コンセントが行われ、治療契約を結び治療同盟を組む。当然、面接には金銭の享受が行われる。


それに対して電話相談は、相談もできるが、一方的に相談を中断することも可能である。そのため、継続的な支援にはなかなか結び付きにくい。また、相談者から得られる情報は、声のトーンと言語的情報に限られるため、総合的な査定が困難である。しかし、面接相談のように金銭の享受がなく、通話料のみで相談することが可能なことや、相談室まで足を運ばなくても必要な時に相談を行えるというハードルの低さが利点でもある。


以上のように、面接相談と電話相談にはそれぞれ利点と欠点かあるが、電話相談は緊急性の高い事例や一時的な支援に向いていると言えるだろう。




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PTSDの原因と症状、対応について述べなさい

PTSDとは、Post Traumatic Stress Disordersの略称で、日本語では心的外傷後ストレス障害と訳される。自身の生命が脅かされるほどの強い恐怖体験とそれに伴う無力感を経験することで発症する心身の不適応状態である。


主な症状としては、再体験症状、過覚醒症状、回避症状の3つが挙げられる。再体験症状とは、発症の原因となった恐怖体験が無意識に想起されたり、夢に見たりするなどして今まさに目の前で起こっているかのような感覚に陥ったり、振る舞ったりする症状である。過覚醒症状とは、心身の緊張が持続することで集中困難や睡眠障害。易努性や攻撃性の高まりなどが表れる症状である。回避症状とは、恐怖体験を想起させるような場所、人物、思考、認知などからの回避行動を示す症状である。これらの症状の他にPTSDの患者の中には、自分だけが助かってしまったという罪悪感や他者を助けられなかった自責の念にとらわれている人も多い。以上のような症状が一ヶ月以上持続するものをPTSDと呼び、それ以下で症状が焼失するものをASDと呼び区別する。


PTSD患者への対応としてはまず、症状の経過に関する正確な心理教育を提供し、改善への期待を育成することである。認知行動療法も有効とされており、最近では心的外傷を想起しながらセラピストの手の運動を目で追視することで体を弛緩させるEMDRという技法も注目されている。




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